ガントチャートツール選びで迷っている方は、まずNotionのタイムラインビューを試してみてください。
Notionは、ドキュメント、タスク、プロジェクト、ナレッジベース、カレンダー、会議メモを1つのワークスペースで扱えるツールです。ガントチャートだけでなく、WBS、タスクボード、議事録、仕様書、関連資料、意思決定の履歴まで関連付けて管理できるため、プロジェクトの情報を探す場所を減らせます。
海外では、チケットデータベースを可視化するだけでなく、AIエージェントでレビュー滞留やリリース遅延を検知する運用も広がっています。例えばRakuten Franceは、開発チケットを確認するカスタムエージェントを運用し、チーム別のレポートをSlackへ届けています。同社では、エージェントが参照する共通SOP、エージェントの台帳であるAgent Library、実行結果を残すAgent LogsをNotionで管理し、改善案は人が承認するまで反映しない仕組みを採用しています。
国内では、Notion Labs Japanが2026年7月に、スター精密がNotionとNotion AIを国内約550名へ展開した事例を公表しました。月次アクティブユーザー率は約90%、AI機能の利用量は従来のチャット型AIツール比で約4倍とされています。社内ポータル、プロジェクト管理、議事録、業務ナレッジを同じ環境に集約し、AIを日常業務の流れに組み込んだ国内製造業の事例です。
データ保管場所に要件がある企業向けには、日本向けデータレジデンシーがEnterpriseプランで提供されています。既存ワークスペースを日本リージョンへ移行するにはNotionへの依頼と移行完了の確認が必要で、確認を受けていないワークスペースは米国でホストされます。日本では東京がメイン、大阪がバックアップリージョンです。対象外となる機能やデータもあるため、規制や社内ポリシーがある場合は、利用する機能ごとの保存先を公式情報で確認しましょう。
本記事では、初心者向けにNotionでガントチャートを作る方法と、プロジェクト管理を効率化する便利ワザを紹介します。

Notionのガントチャートは、タスク一覧のテーブルと、日付軸にタスク期間を表示するタイムラインで構成されています。テーブルでは、タスク名、担当者、ステータス、期日、優先度などを管理できます。
テーブル側の情報を変更すればタイムラインにも反映され、タイムライン上で期間を動かせばテーブルの日付も更新されます。WBSとしてタスクを洗い出してから、そのままスケジュールへ落とし込めるため、管理表が分散しにくくなります。

ガントチャートの日付変更やタスクの並べ替えは、主にドラッグ&ドロップで操作できます。タスク期間を伸ばす場合はバーの端を動かし、開始日ごと変更する場合はバー全体をドラッグします。Excelのセルを塗り替える管理に比べ、スケジュール変更を反映しやすいでしょう。

同じタスクデータベースに対して、タイムラインビュー、ボードビュー、テーブルビューなどを追加できます。ガントチャートは計画作成や日程確認、ボードは未着手・進行中・完了といった進捗確認に向いています。
また、担当者別、部署別、プロジェクト別、今週のタスクだけを表示するビューを作ることも可能です。ビューを分けても元データは同じなので、どこか1つで更新した内容が他の表示にも反映されます。

通常のNotionアプリでは、iOS・Androidからページやデータベースの閲覧、編集、コメントができます。外出先、店舗、現場、テレワーク中でも、タスクの状況確認や更新をしやすい点がメリットです。
一方で、データベースの設計、複数の設定変更、権限管理などはデスクトップ版またはWeb版で行う方が確実です。ガントチャートはPCで設計し、モバイルでは日常的な確認・更新を行うように使い分けるとよいでしょう。
Notionのタスクページには、Figmaデザイン、Googleドキュメント、スプレッドシート、Miroボード、Box上の資料などを埋め込んだり、関連付けたりできます。ガントチャート上のタスクを開けば、作業内容、担当者、期日、議事録、仕様書、デザインファイル、参考資料をまとめて確認できます。
Notion Calendarと連携すれば、データベースの日付をカレンダー上から変更できます。タイムラインで管理する「作業期間」と、カレンダーで管理する「会議・レビュー日時」は性質が異なります。作業期間、期限、会議日を別々の日付プロパティで管理し、目的に応じて表示する日付を切り替えると混乱を防げます。
タイムラインビューは無料プランでも作成できます。AI、ページ履歴、管理・セキュリティ機能にはプランごとの差があるため、チームで本格運用する前に必要な機能と権限を確認しましょう。
また、最初から全社共通の大規模なガントチャートを作る必要はありません。PM、現場リーダー、実務担当者など3〜5人程度のプロジェクトで始め、「誰が、いつ、何を更新するか」というルールを固める方が定着しやすくなります。最低限、更新日、担当者、次のアクション、障害を記録し、更新率や担当者空欄率、期限超過率を見ながら展開範囲を広げましょう。
ここからは、Notionでガントチャートを作成する基本手順を解説します。画面表示はアップデートにより変わる場合がありますが、基本的な考え方は同じです。

ガントチャートを作成したいページを開き、空のページで「/」を入力してブロックメニューを表示します。[タイムラインビュー]を選択してください。
既存のデータベースを使うか、[+新規データベース]からガントチャート用のデータベースを作成します。作成後は、データベース名をプロジェクト名や用途が分かる名前に変更しておくと、後から探しやすくなります。

タイムラインビューでは、左側のテーブルが折りたたまれている場合があります。タスク名や担当者、ステータスを編集しやすくするため、タイムライン左上の展開ボタンをクリックしてテーブルを表示しましょう。
タイムライン左側のテーブルに表示する項目は、データベース設定の[Layout]から[Table properties]で調整できます。タイムライン上のカードに表示する項目は[Property visibility]で設定します。
新規でガントチャートを作成すると、デモデータが入っていることがあります。不要なデータは削除し、自分のプロジェクトに必要な作業を入力していきましょう。

タスクの順番や期間は後から変更できるため、まずは必要な作業を洗い出します。会議の議事録や既存のWBSがある場合は、Notion AIでアクションアイテムの候補を整理してからタスク化すると、抜け漏れを減らしやすくなります。
行を追加する場合は、データベース下部または右上の[+新規]をクリックします。担当者、進捗状況、優先度などを追加したい場合は、新しいプロパティを作成してください。
ステータスプロパティを使うと、未着手、進行中、完了などの進捗を色付きラベルで管理できます。列名を「進捗」などに変更し、プロジェクトに合わせて選択肢を追加しましょう。
進捗の分類は増やしすぎないことがポイントです。まずは「未着手」「進行中」「確認待ち」「完了」など、チームで判断基準を共有しやすい項目から始めると運用しやすくなります。
タスクの日付は、テーブルの日付プロパティに入力する方法と、タイムライン上でドラッグ&ドロップして設定する方法があります。

テーブルで日付セルをクリックし、開始日を入力します。終了日も管理する場合は終了日を有効にして設定してください。タイムライン上では、バー全体をドラッグすると開始日を動かせ、バーの端をドラッグすると期間を変更できます。
タスク同士を矢印でつなぐと、依存関係を設定できます。例えば「要件定義が終わらないとデザインに着手できない」「デザイン完了後に実装を開始する」といった前後関係を可視化できます。

依存関係は、データベース設定の[その他の設定]→[依存関係]から設定します。先行タスクの日程変更に合わせて後続タスクの日付を調整する場合は、[日付が重なる場合のみシフト][アイテム間の期間を維持してシフト][自動的シフトしない]から選択できます。移動後の日程が週末にかからないようにする設定も可能です。
日程変更が複数チームに影響する場合は、意図しない一括変更を防ぐため、最初は[自動的シフトしない]または[日付が重なる場合のみシフト]から試すとよいでしょう。
日付、タスク名、担当者、ステータス、優先度などのプロパティを使って、タイムラインを並べ替えたり絞り込んだりできます。「自分が担当する未完了タスク」「今月中に期限があるタスク」といったビューを作っておくと、会議前の確認や日次の進捗チェックがスムーズです。
担当者別、プロジェクト別、チーム別、優先度別にグループ化すれば、誰にタスクが集中しているか、どのプロジェクトが詰まっているかも把握しやすくなります。目的別にビューを作っても、元データは一つなので二重入力は必要ありません。
さらに、期限超過だけを見るのではなく、「レビュー待ちが3営業日を超えた」「終了日が近いのに未着手」「先行タスクが未完了なのに後続タスクが進行中」「担当者が空欄」「7日以上更新されていない」といった条件でリスク確認用ビューを作ると、遅延の兆候を早めに見つけられます。
短期プロジェクトで細かく日程を確認したい場合や、長期プロジェクトを俯瞰したい場合は、タイムラインの表示単位を切り替えましょう。時刻、日、週、隔週、月、四半期、年などから、プロジェクトの粒度に合う表示を選べます。
例えば、日々の制作・開発の調整には週表示、四半期単位の施策確認には月または四半期表示というように使い分けると見やすくなります。
タイムラインで日程を確認しているタスクを、ボードビューで進捗管理することもできます。ビュー追加メニューから[ボード]を選び、[グループ化]を進捗プロパティに設定しましょう。
ボード上でタスクを「未着手」から「進行中」「完了」へ移動すると、タイムライン側のステータスも同時に変更されます。日程はタイムライン、進捗はボードというように役割を分けると、実務で扱いやすくなります。
Notionのサブアイテム機能を使うと、親タスク・子タスクの階層構造を作成できます。大きな工程を親タスクにし、その下に具体的な作業を子タスクとして追加すれば、WBSに近い形でプロジェクトを管理できます。
タイムライン上でも階層を折りたたんで表示できるため、大規模なプロジェクトでも見通しを保ちやすくなります。親タスクには工程の目的や完了条件、子タスクには実作業と担当者を記載するなど、情報の粒度を分けるのがおすすめです。
Notion AIとカスタムエージェントを利用しているチームでは、会議後のプロジェクト更新を効率化できます。AIミーティングノートの要約完了をきっかけにカスタムエージェントを実行し、会議の決定事項や新規タスク、期限変更の候補を取り出す運用が可能です。トリガーには[Meeting note summarized]を設定し、対象となる会議を指定します。
会議要約から決定事項をプロジェクトページへ追記したり、新規タスク候補を作成したり、Slackなどへ要約を投稿したりできます。会議メモの保存先となるデータベースとプロジェクトデータベースをリレーションでつなげれば、タスクから判断の経緯を確認しやすくなります。
ただし、AIに期日、担当者、依存関係を直接上書きさせるのではなく、まず「更新候補」プロパティや確認用ビューへ出力し、人が承認してから確定する設計が安全です。Notion Agentでは編集案を提示し、人が変更ごとに承認できる機能も提供されています。表記の修正や会議要約の整形など低リスクな処理から始め、期限、担当者、依存関係、完了判定はPMまたはデータベース管理者の承認対象にしましょう。
AIミーティングノートは日本語の文字起こし・要約に対応していますが、話者ラベルは現時点で英語のみです。グループ会議では担当者や発言者の取り違えが起こり得るため、録音・文字起こしの前に参加者の同意を得るとともに、重要な更新は必ず原文と照合してください。AIにすべての判断を任せるのではなく、プロジェクトの背景、会議記録、更新ルールをチームとAIが共有し、人が最終判断できる設計にすることが重要です。
プロジェクト管理では、タスクだけでなく「なぜそのタスクが生まれたのか」「誰がいつ決めたのか」も重要です。Notionでは、会議メモ、議事録、決定事項、アクションアイテムを同じページや関連データベースでつなげられます。
タスクページから関連する議事録へ戻れるようにしておけば、後から経緯を確認しやすくなります。ガントチャートの各タスクに、判断根拠、過去の類似案件、担当者からの回答を関連付ける運用も有効です。
AIやカスタムエージェントに仕様書・プロジェクトデータベースを参照させる場合は、参照権限と書き込み権限を分けて設定しましょう。人事、法務、顧客情報を含むページを一括共有せず、仕様書は閲覧のみ、ガントチャートデータベースは必要な範囲だけ書き込み可にするなど、最小権限で運用することが重要です。
Notionでは、Figma、GitHub、Miro、Boxなどの情報をプロジェクトページに集約できます。WorkersやAPI連携を活用すれば、Jiraの完了チケット、Salesforceの商談ステージ、GitHubのプルリクエスト、ZendeskのSLAリスクなどをNotionへ同期する仕組みも構築できます。
同期は、プロジェクトや更新項目を限定し、更新日時やステータスで対象を絞り込むことが大切です。本番用と検証用のインテグレーションを分け、期日を書き換える処理では更新前後の値をログに残しましょう。定期同期とWebhookのどちらを使う場合も、実行回数、削減できた時間、クレジット消費を確認して継続可否を判断します。
Developer PortalはNotionのサイドバーから利用でき、Workers、接続、Personal access tokens、実行ログを確認できます。Developer barを使えば、ページ、データベース、ブロックなどのIDやAPIオブジェクトも取得可能です。同期不具合が起きた際は、対象データベースIDと実行ログをセットで記録し、トークンの所有者、用途、更新日、停止手順も台帳化しておくと原因を追いやすくなります。
Notionをチームや全社で利用する場合は、便利さだけでなく権限管理とガバナンスも重要です。部署横断で共有するページ、役員や管理部門だけが見られるページ、外部パートナーに限定公開するページなどを分けて設計しましょう。
ガントチャート用データベースとは別に、エージェントの管理台帳を作る方法も有効です。エージェント名、管理責任者、参照データベース、書き込み可能なプロパティ、実行頻度、最終実行日時、成功・失敗、消費クレジット、変更履歴、停止フラグを記録します。エージェントの実行ログと人による改善承認を残せば、担当者が変わっても運用を引き継ぎやすくなります。
また、1つの万能エージェントに処理を集約するより、会議メモから候補を抽出する受付エージェント、担当者・期日・プロジェクト名の不足を確認する検証エージェント、遅延や依存関係の矛盾を確認するリスク検知エージェント、確認依頼を送る通知エージェントのように役割を分けると、失敗箇所とコストを把握しやすくなります。
さらに、AIによる処理は「データを整える役割」と「整えたデータを利用する役割」に分けると安定しやすくなります。前者では空欄担当者の検出、ステータス表記の統一、プロジェクト名の正規化を行い、後者で遅延リスク、週次報告、優先順位の候補を作ります。会議要約から直接リスク判断を行う前に、タスクデータの形式や鮮度をそろえましょう。
Business/Enterpriseプランでは、ワークスペースオーナーがNotion Agentとカスタムエージェントで利用できるAIモデルを制御し、カスタムエージェントのデフォルトモデルを指定できます。プロジェクト更新用のモデルは管理者が決め、本番データを更新するエージェントと要約・下書きのみを行うエージェントでモデルを分けるとよいでしょう。モデルを変更した際は、担当者、期日、依存関係の抽出精度に加え、実行時間とクレジット消費をテストデータで確認してください。
長いタイムラインや多数のプロパティを扱う場合は、表示するプロパティを目的別に絞り込みましょう。日々の更新用には担当者・ステータス・次のアクションを、管理者の確認用には期限・依存関係・更新日・障害を表示するなど、ビューごとに情報量を調整すると見やすくなります。
導入効果を測る際は、作成したページ数ではなく、タスクや議事録の更新率、担当者空欄率、期限超過率、レビュー滞留件数などで確認するのがおすすめです。AIによるリスク検知は、まず1〜2か月分の更新履歴を蓄積してから始めると、判断の材料を確保しやすくなります。
バックアップでは、定期的にHTMLまたはMarkdown&CSV形式でエクスポートして保存しましょう。ワークスペース全体を一括でPDF出力する機能は廃止されていますが、個別ページは引き続きPDFとして出力できます。
Notionでガントチャートを作成する方法を解説しました。
Notionの強みは、ガントチャートだけでなく、タスク一覧、ボードビュー、議事録、関連資料、ナレッジ、AIによる要約や更新候補の作成を同じ場所で扱えることです。テーブルにタスクを書き出し、タイムラインビューでスケジュールを組み、ボードビューで進捗を確認する流れを、1つのデータベースで実現できます。
依存関係を設定すれば、先行タスクの変更に応じて後続タスクの日程を調整でき、週末を避ける設定も可能です。通常のNotionモバイルアプリを使えば、外出先や現場からでもタスクを確認・更新できます。
会議後の更新を減らしたいチームは、AIミーティングノートとカスタムエージェントで更新候補を作り、人が確認して反映する運用を検討しましょう。まずは小さなプロジェクトから始め、議事録や関連資料も同じワークスペースに集約しながら、計画立案から日々の進捗管理までを効率化してみてください。
セールスや採用などのミーティングに関する業務を効率化し生産性を高める日程調整ツール。どの日程調整ツールが良いか選択にお困りの方は、まず無料で使い始めることができサービス連携や、必要に応じたデザインや通知のカスタマイズなどの機能が十分に備わっている日程調整ツールの導入がおすすめです。


