オンラインでの会議や研修によく使われる、Microsoft Teamsには「ブレイクアウトルーム」という機能があります。
ブレイクアウトルームは、メイン会議と同時に個別の相談や少人数でのグループセッションをおこなえ、研修でのロールプレイやセミナーでのブレインストーミングなどに有効な機能です。参加者の積極性を高め、ファシリテーションの質を向上させる効果も期待できます。
今回は、そんなTeamsのブレイクアウトルーム機能を解説します。
この記事を読むことで、つぎのことが分かるようになります。
ブレイクアウトルーム機能を使って、Teamsをさらに有効活用していきましょう。
ブレイクアウトルームを作成する前に、ブレイクアウトルームの作成条件や注意事項を解説します。
ブレイクアウトルームの作成・管理には、つぎの条件を満たす必要があります。
ブレイクアウトルームの作成や管理は、Teamsのデスクトップ版(Teams for desktop)を前提としておこなうのが最も確実です。社内手順書等では運営担当者の端末要件をデスクトップ版に固定しておくと事故が減ります。
また、ブレイクアウトルームはあくまで少人数での分科会用途となります。数千人規模の全体配信を伴う大規模イベントの場合、2026年6月30日をもってTeamsライブイベントが廃止されるため、今後は「Town hall(タウンホール)」など別機能へ移行して使い分ける必要があります。
ブレイクアウトルームを利用できるのは、参加者が300名までの会議に限られます。1つの会議で作成できるルーム数は最大50室までです。大規模な研修では、1ルームあたり5〜8名程度で逆算して部屋数を設計しておくと、上限に引っかかることなくスムーズに分割できます。
管理権限について、ブレイクアウトルームの管理は、開催者だけでなく、会議オプションで事前指名した「共同開催者(Co-organizer)」や「ブレイクアウトルームマネージャー」に分担できます(会議のロール設計として複数名の管理者指名が可能)。大人数の研修では、一人の開催者に依存せず、主担当と副担当を分けておくと、進行トラブルに強くなります。
当日のオペレーションを減らすため、行政やガバナンスを重視する企業では事前の参加者割り当てが強く推奨されます。事前割り当てをおこなう場合は、あらかじめTeams会議の必須出席者としてメンバーを登録しておく必要があります(部屋の枠組みだけであれば未登録でも作成可能です)。なお、組織外のゲストや匿名ユーザー、個人の無料版アカウント(Teams Free)などは、参加方法や組織ポリシーによって事前割り当てに制約が出る場合があります。外部とのワークショップでは、参加形態を事前に確認し、会議開始後に手動で割り当てる運用も想定しておきましょう。
また、組織の設定や参加方法によっては、電話での参加者(PSTNダイヤルイン)や、Teams Rooms(会議室用デバイス)を利用した参加者もブレイクアウトルームに割り当てることが可能です。ただし、環境により動作に差が出やすいため、ハイブリッド研修などでは本番前に会議室端末などを含めた「参加→移動→退出」の一連の流れをテストしておくことをおすすめします。
つづいて、ブレイクアウトルームの作成方法を解説します。
ブレイクアウトルームの作成方法は、つぎの2つです。
グループセッションをおこなうことが分かっている場合には、スムーズに進行できるよう、会議予約時に作成をおこないましょう。
ブレイクアウトルームの事前作成は、つぎの手順でおこないます。









これで、ブレイクアウトルームの作成は完了です。あとは、会議が始まりグループセッションするときに、ブレイクアウトルームを開くと、ブレイクアウトルームが使えます。
なお、定期的な社内トレーニングなど繰り返し開催される会議では、一度設定したブレイクアウトルーム名や参加者割り当てが次回以降の開催時にも保持されます。初回に設定しておけば再設定の手間が省け、継続的なディスカッションに便利です。ただし、会議の複製方法や主催者の変更、参加者構成が変わった場合は再確認が必要になる場合があるため注意しましょう。
デフォルトの設定ままでも、ブレイクアウトルームを使用することができますが、ルーム名の変更や出席者のマイクやカメラの利用を許可しないなどの設定もできます。
つづいては、名前の変更やオプション設定の方法をご紹介します。
まずはブレイクアウトルームの名前の変更方法をご紹介します。
ブレイクアウトルーム名の変更は、つぎのとおりです。

以上で、名前の変更は完了です。
つづいて、オプション設定方法をご紹介します。
Teamsはブレイクアウトルームごとに、出席者のマイクONやカメラON、チャットなどを許可するかを設定することができます。また、制限時間(タイマー)の設定や、参加者自身によるルーム選択の許可も可能です。
設定方法は、つぎのとおりです。

ここで「制限時間を設定する」をオンにしておくと、指定した時間が経過した時点で自動的にブレイクアウトルームが閉じられ、参加者をメインルームに強制的に戻すことができます。ファシリテーターが各部屋に終了を知らせて回る手間が省けるため、タイムキーピングに非常に便利です。
また、参加者が自分でルームを選択・移動できる機能を許可しておけば、トピック別のセッションやネットワーキング目的のイベントなどで、参加者が自由に関心のあるルームに出入りできるようになります。ただし、組織外の参加者や匿名ユーザーでは期待通りに機能しない場合がある点にご留意ください。
なお、各ルーム内でのマイクのミュート/解除、ビデオのON/OFF、ルーム内チャットの可否は、会議の設定に依存します。
注意点として、ブレイクアウトルームに入室した直後は、参加者のカメラとマイクが自動でオフになっている場合があります。開始時に「音声確認」と「カメラONの案内」を入れておくと、参加者が慌てず進行がスムーズです。
また、各ブレイクアウトルームは独立したチャットを持ちますが、閉室またはセッション終了に伴い、そのチャットは終了します。重要な結論は、終了前にメイン会議のチャットや議事録へ回収するルールを決めておきましょう。
以上で、オプション設定は完了です。
つぎは、会議中にブレイクアウトルームを作成する方法を解説します。
会議中に急な個別の相談やグループに分かれて検討が必要になることがあります。そういった場合には、会議中にブレイクアウトルームを作成しましょう。
会議中のブレイクアウトルームの作成は、つぎの手順でおこないます。



割り当ての際、[参加者のシャッフル]機能を利用すると、参加者をランダムに各ルームへ均等に振り分けることができます。ワークショップやアイスブレイクなどで、固定化されたメンバーではなく意図的にランダムな交流を促したい場合に非常に有効です。
なお、会議中に部屋(ルーム)を追加することはできますが、その後に参加者を自動割り当てすることはできません。途中で部屋数が足りなくなって増設を想定する場合は、手動で割り当てるファシリテーターの配置など、運営手順を用意しておく必要があります。
これで、ブレイクアウトルームの作成は完了です。
つづいては、ブレイクアウトルームの使い方を見てみましょう。
ブレイクアウトルームが作成できたら、実際に使ってみましょう。
最初にブレイクアウトルームの開始方法を解説します。
ブレイクアウトルームを開始する手順は、つぎのとおりです。

[ルーム]ボタンをクリックし、表示された [ブレイクアウト ルーム]パネルの[開く]ボタンをクリックする
これで、ブレイクアウトルームが開始され、割り当てられた参加者はブレイクアウトルームに移動されます。
つづいて、開催者やスタッフが各ルームへ入出する方法を解説します。
開催者(または共同開催者)がすべてのブレイクアウトルームへ自由に入出する方法は、つぎのとおりです。

[ブレイクアウト ルーム]パネルの入出したいルームの右側にある[…]ボタンをクリックし、表示されたメニューの[ミーティングに参加]を選択する
以上で、ブレイクアウトルームへ入出ができます。
つづいて、他のルームへ移動したい場合の手順を解説します。

他のルームへ移動したい場合は、[退出]ボタンをクリックし、ルームから退出します。退出後に、先ほどと同じ手順で別のルームに入出します。
つづいては、すべてのルームへメッセージの一斉送信をおこなう方法を解説します。
残り時間のアナウンスなど、すべてのブレイクアウトルームへのメッセージの一斉送信方法は、つぎのとおりです。

[ブレイクアウト ルーム]パネルの[アナウンスを作成する]ボタンをクリックし、[アナウンス]ダイアログを表示します。つぎに、[アナウンス]ダイアログに一斉送信したいメッセージを入力し、[送信]ボタンをクリックします。
これで、すべてのルームにメッセージが一斉送信されます。各ルームにスタッフを配置できない場合でも、「終了5分前」などの通知を主催者から一斉に行えるため、ファシリテーションの負担軽減に役立ちます。
つづいては、ブレイクアウトルームを終了し、全体のミーティングを再開する方法を解説します。
ブレイクアウトルームの終了方法は、つぎのとおりです。

[ブレイクアウト ルーム]パネルの [閉じる]ボタンをクリックします。
これで、すべてのブレイクアウトルームが閉じられ、参加者は全員メインルームに戻ってきます。メインルームの会議は自動で再開されますが、いつまでも再開されない場合は、[再開]ボタンをクリックします。
ブレイクアウトルーム参加時は、割り当て済みならルーム開始時に自動で入室され、閉室時にはメイン会議へ自動で戻る運用が基本です。またルーム設定次第で、参加者の任意退出(Leave room)も許可できます。
進行者は「戻し忘れ」を防ぐため、ルームオプションで「制限時間(タイマー)」を設定し、時間が来ると自動的にルームが閉じられてメインルームに戻るよう、閉室タイマーと戻し先を前提とした進行設計を優先すると運用が安定します。
つづいてはTeams会議の便利な使い方を紹介します。
ここでは、Teams会議の便利な使い方を3つご紹介します。
Teams会議の背景に自分の名刺やセミナーの簡単なアジェンダを表示して、自分やセミナーをアピールしてみましょう。
オリジナル背景の作成方法は、つぎの2つです。
就職内定者向けの説明会などでは、背景に自分の名刺を設定して、参加者に自分をアピールしましょう。
利用する背景作成サイトは、ブラウザで“背景 名刺”などで検索してもよいのですが、利用者が多く無料で利用できる『バーチャル名刺背景ジェネレーター』をおすすめします。
直感的に作れるようになっているので、興味ある方は作ってみましょう。
セミナーのチラシやアジェンダを背景に表示して、参加者にセミナーの内容を強く印象付けしましょう。
CanvaにはTeams背景用のデザインが用意されているので、簡単にオリジナルの背景画像を作ることができます。
Canvaで背景画像を作る手順は、つぎのとおりです。



つづいて、Teams会議の背景にオリジナル画像を設定しましょう。
Teams会議画面の背景にオリジナル画像を設定する手順は、つぎのとおりです。



これで背景画像の設定は完了です。
つづいては、参加者の多い会議で役に立つ、参加者のマイクを一斉にミュートする方法をご紹介します。
参加者の多い会議やセミナーで発言者以外の人がマイクをONにしていると、雑音が入ってしまい聞きづらくなってしまいます。
参加人数が多い会議の場合は、全員まとめてミュートしてしまいましょう。
一斉ミュートの方法は、つぎのとおりです。

以上で、全員まとめて一斉にミュートすることができます。
近年のアップデートにより、TeamsではAIアシスタント「Microsoft 365 Copilot」の活用が進んでいます。Copilotは会議が文字起こしされている場合、そのトランスクリプトを参照して回答を生成します。そのため、ブレイクアウトルームのセッション開始後にレコーディングと文字起こし(トランスクリプション)を有効にすることで、会話の内容が精度の高いAIの分析対象となります。
ファシリテーターがすべての部屋を常時巡回できなくても、会議後にCopilotを使って「各ルームでの論点の違いを整理して」「次のアクションアイテムを抽出して」といった指示を出すことで、議論の内容を簡単に議事録化・比較することが可能です。各ルームの議論をまとめるコストが大幅に下がるため、非常に実用的な運用方法と言えます。
さらに、Teams Premiumなどのライセンスを利用すれば、多言語のリアルタイム翻訳やライブ字幕機能も活用でき、グローバルなメンバーが混在するセッションでも円滑なコミュニケーションが実現します。より生産性の高い会議運営のために、会議機能と関連ライセンスの要件を確認しつつ、文字起こしやAI機能の活用も検討してみてください。
Teams会議のブレイクアウトルーム機能を使うと、グループセッションや個別の相談が簡単におこなえます。
ブレイクアウトルームは会議中に作成することもできますが、グループセッションをおこなうことが分かっている場合には、事前に枠組みを作成・割り当てておくと会議をスムーズに進行できます。
さらに、共同開催者やマネージャーへの権限委譲による運営リスクの分散や、参加者自身によるルーム選択、シャッフル機能やタイマー設定を活用することで、より効果的で参加者主導のファシリテーションが実現します。AI(Copilot)を使った振り返りや翻訳機能なども組み合わせ、Teamsをさらに有効活用していきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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