複数担当者の予約システムでは、「空いている人に任せる」だけでは運用が安定しません。特定メンバーへの商談集中、休暇中メンバーへの誤割当、営業と技術担当の同席漏れなどが起こると、現場は悲鳴を上げているはずです。
Jicooの担当者自動割当を使うと、担当者の均等配分、優先順位、部門横断の参加条件、受付時間の上限、承認制予約までを予約ページ単位で設計できます。この記事では、Jicoo管理者、営業企画、インサイドセールス、CS、採用チーム向けに、複数担当者の予約システムを実務に合わせて設定する流れを解説します。
2025年10月に高度な割当ロジックが強化され、2026年6月には担当者自動割当と予約リクエストを組み合わせる運用も追加されました。単なるラウンドロビンではなく、「誰に、どの条件で、どこまで予約を受け付けるか」を運用ルールとして設計できる段階に入ったと考えます。
手動で担当者を決める運用では、予約通知を見た人がカレンダーを確認し、Slackやメールで担当を探し、必要なら同席者にも連絡する流れになりがちです。
最初は数件の予約でも回ります。しかし、商談・オンボーディング・採用面談が同時に発生すると、次のような問題が起こります。
Jicooの担当者自動割当では、これらを予約ページのルールとして設定できます。人が都度判断するのではなく、チームで決めた基準に沿って割り当てることが重要です。担当者が「なぜ自分にこの予約が入ったのか」を説明できる状態は、心理的安全性の面でも価値があります。
実務的には、最初から複雑な条件を作るよりも、「営業担当を1名選ぶ」OR条件から始め、運用データを見ながら技術担当のAND条件や受付上限を追加する進め方が扱いやすいでしょう。

本記事は、複数担当者を対象に商談、導入支援、採用面談、顧客定例などの予約を受け付けるチームを対象にしています。
設定前に、次の状態を確認してください。
Jicooでは、Googleカレンダー、Outlook、Apple(iCloud)カレンダーとの連携に関する案内があります。カレンダー連携が不十分だと、割当ロジックを細かく設計しても、実際には空いていない時間へ予約が入るおそれがあります。
また、Web会議を使う場合は、Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsなどの連携状況も確認しておくとよいでしょう。担当者が決まった後に会議URLを手作業で作る運用を残すと、予約自動化の効果が薄れます。日程調整の基本設計は、日程調整に関する記事も参考にしてください。
画面上の名称や配置は更新される場合があります。実際の画面で表示が異なる場合は、予約ページ編集画面内の「参加メンバー」「担当者自動割当」「割当リスト」などに相当する項目を確認してください。
この時点では、候補者を増やしただけです。均等配分や優先順位、部門横断の参加条件は、次の割当リストで設定します。
通常のラウンドロビンは、「複数の候補者のうち、予約可能な1名を選ぶ」運用に向いています。
一方、割当リストを使うと、以下のような運用に広げられます。
同一の条件グループに複数メンバーを設定すると、基本的にはOR条件として扱います。
たとえば、インサイドセールスの担当者3名から1名を選ぶ場合は、次のように設定します。
山田 または 佐藤 または 鈴木
→ このグループから予約可能な1名を割り当てる
設定の流れは次の通りです。
このOR条件は、次のようなケースに向いています。
注意したいのは、複数メンバーを候補に登録しただけで、常にA→B→Cの固定順になるわけではない点です。Jicoo ラウンドロビンで配分を意図通りに管理したい場合は、後述する「均等配分」「優先度配分」「順繰り配分」を明示的に選びます。
営業商談では、営業1名だけで完結しないことがあります。技術的な確認が必要な商談、エンタープライズ向けの提案、採用の二次面談などでは、複数部門から参加者を集める必要があります。
この場合は、条件グループを分けて設定します。
営業A または 営業B
かつ
技術A または 技術B または 技術C
この構成では、営業グループから1名、技術グループから1名を選び、合計2名を予約に割り当てる設計です。
設定例をチーム別に整理すると、次のようになります。
| チーム | 条件グループ1 | 条件グループ2 | 割当結果 |
|---|---|---|---|
| 営業 | インサイドセールスから1名 | SEから1名 | 商談担当2名 |
| CS | CSMから1名 | テクニカルサポートから1名 | 導入・技術対応担当2名 |
| 採用 | 人事から1名 | 配属部門面接官から1名 | 面談担当2名 |
| 導入支援 | プロジェクト責任者を固定 | 導入コンサルタントから1名 | 責任者+実務担当 |
設定後は、以下のパターンを必ずテストしてください。
AND/OR条件のUI表現や条件グループの扱いは変更される可能性があります。特に、別の条件グループを追加した際に「各グループから1名ずつ選ぶ」動作になるかは、実機で予約テストを行ってから本番公開してください。
担当者自動割当で重要なのは、「公平さ」と「予約枠の多さ」が同じ目的ではないことです。
たとえば、均等配分を強めると、担当者ごとの予約数は平準化しやすくなります。一方で、空いている人を広く使って予約可能枠を増やしたい場合は、優先順位や候補グループの設計を見直す必要があります。
Jicooの配分方式は、用途ごとに次のように考えると分かりやすいでしょう。
| 配分方式 | 仕組み | 向く運用 |
|---|---|---|
| 均等配分 | 予約数が少ないメンバーを優先して配分する | 同じ役割・同じ対応能力のメンバーで負荷を平準化したい |
| 優先度配分 | 優先度が高い候補から割り当て、対応不可時に次の候補へ回す | 主担当とバックアップを分けたい |
| 順繰り配分 | 登録順に沿って次の担当者へ回す | 当番の順番を分かりやすくしたい |
均等配分は、単に「平等に見える」ためではなく、疲労の偏りを防ぐための設計です。商談や面談は、カレンダー上の時間以上に準備・記録・社内連携を伴います。予約時間だけを見て負荷が均等だと判断しないことも大切です。
たとえば、経験者を優先度「高」、新人を優先度「低」に設定し、新人には受付上限も設定します。これにより、育成機会を作りながら、急な予約集中で支援負荷が過大になることを避けやすくなります。
「誰が次なのか分からない」状態は、小さな不満を生みやすいものです。順番が可視化され、例外の理由も共有されているチームは、担当者間のコミュニケーションコストを下げやすいでしょう。

Jicooの受付上限は、予約件数ではなく、予約時間の合計を分単位で設定する点が重要です。
たとえば、60分の商談を1日2件までにしたい場合、設定する上限は「2件」ではなく「120分」です。
| 予約時間 | 受け付けたい上限 | 設定する時間 |
|---|---|---|
| 30分 | 1日3件 | 90分 |
| 45分 | 1日4件 | 180分 |
| 60分 | 1日2件 | 120分 |
| 90分 | 1日1件 | 90分 |
設定手順は次の通りです。
複数の所要時間を選べる予約ページでは、ゲストが選択した予約時間を基準に計算される仕様とされています。30分・60分・90分の選択肢がある場合、「1日120分」という上限に対し、60分予約なら2件、30分予約なら最大4件が入る可能性があります。
受付上限は、稼働率を上げるためだけの機能ではありません。商談後の提案資料作成、顧客情報のCRM入力、面談後の評価記録など、予約の前後にあるコア業務を守るための機能です。
営業・マーケティングの予約設計では、営業・マーケティングの活用記事も参考になります。
一時除外は、休暇、研修、繁忙期、集中作業日などに対応するための設定です。
休暇中の人を候補から外すだけならカレンダー連携でも対応できる場合があります。しかし、予約を受けない理由が「予定がある」ではなく、「今週は商談対応を止めたい」である場合、一時除外を明示しておく方が運用を説明しやすくなります。
設定時は、次を確認してください。
注意点として、設定変更がすでに確定している予約へ与える影響は、公開前に検証が必要です。予約済みの担当者が自動的に変更されるのか、既存予約には影響しないのかは、予約ページや設定変更の内容によって確認してください。
一時除外を「個人だけが知っている休暇情報」にしないことも大切です。チーム全体で割当ルールを見られる状態にしておくと、急な欠勤時にも心理的な負担を減らせます。
2026年6月以降、Jicooでは担当者自動割当と予約リクエストを組み合わせる運用が案内されています。
これは、ゲストが希望日時を送信した時点で担当者候補を割り当て、担当者が承認または否認してから予約を確定する運用です。
承認制予約が向くケースは次の通りです。
設定後の運用フローは、次のように設計します。
承認制では、否認、キャンセル、期限切れになったリクエストの扱いも決めておく必要があります。割当数が戻る動作は便利ですが、「誰が、いつまでに、どの基準で承認するか」が曖昧だと、ゲストを待たせることになります。
特に仮押さえをしない運用では、同じ時間帯に複数のリクエストが入る可能性があります。承認時に担当者の空き状況を再確認する担当を決め、承認期限の目安をチームで合意しておくことをおすすめします。
スマホでも予約ページや担当状況を確認できる場合がありますが、AND/OR条件、優先順位、時間上限などを伴う割当リストの初期設計はPCで行う方が安全です。
スマホで対応する場合は、次の用途に絞ると運用しやすいでしょう。
PCとの主な差分は、設定画面の一覧性です。複数の条件グループ、優先度、上限設定をスマホ画面で確認すると、見落としが発生しやすくなります。
スマホで設定を変更した場合は、以下を行ってください。
現場感としては、スマホは「緊急対応と承認」に使い、設計変更はPCで行う役割分担が安定しやすいですね。
原因: 複数名を候補に入れただけで、均等配分または順繰り配分が選択されていない可能性があります。また、候補者ごとのカレンダー空き状況、受付上限、優先順位も割当に影響します。
対処:
原因: 営業担当と技術担当を同じOR条件グループに登録している可能性があります。同じグループでは、候補者のうち1名が選ばれる設定になります。
対処:
条件グループの表示や論理の扱いはUI更新の影響を受ける可能性があるため、公開前の実機確認が必要です。
原因: 受付上限は件数ではなく、予約時間の合計を分で設定する仕様です。30分予約と60分予約が混在する場合、件数は一定になりません。
対処:
原因: カレンダー連携が切れている、休暇予定がカレンダーに入っていない、一時除外が設定されていない、または既存予約への影響を確認していない可能性があります。
対処:
原因: 仮押さえをしない設定では、同一時間帯に複数リクエストが入る場合があります。
対処:
担当者自動割当の価値は、予約を速く確定することだけではありません。担当者選定の基準をチームで共有し、再現できる形にすることです。
手動運用では、担当決めがベテランやリーダーに集中しやすくなります。「この案件は誰がよいか」を毎回相談すること自体は悪くありません。しかし、定型的な予約まで個別判断にすると、判断する人の疲労が積み重なります。
一方で、Jicooの割当リストでは、次のルールを予約ページに残せます。
これは、属人的な「気配り」を仕組みに置き換える作業です。担当者の負荷を数字だけで管理するのではなく、準備、記録、フォロー、チーム内相談まで含めた人間中心の運用に近づけられます。
特にCSや採用チームでは、面談が連続すると、記録の質や候補者・顧客への向き合い方に影響が出ます。「予約を埋める」よりも「よい対応を続けられる余白を残す」という体験こそが価値です。
運用開始後は、月に1回を目安に以下を確認します。
この確認で重要なのは、割当数が均等かどうかだけではありません。たとえば、均等に60分の商談が入っていても、ある担当者だけが難易度の高い案件や商談後の社内調整を多く抱えていることがあります。
必要に応じて、フォームの回答内容で予約ページを分け、ルーティングフォームと担当者自動割当を組み合わせる方法もあります。フォームで商談種別や導入規模を確認し、その後に割当ルールで担当者を選ぶ設計です。
Jicooのフォーム活用や外部サービスとの連携は、連携に関する記事や予約に関する記事も参考になります。
設定の正しさは、通常時よりも例外時に分かります。本番公開前に、以下のテストを実施してください。
| テスト項目 | 確認すること |
|---|---|
| OR条件 | 同一グループから担当者が1名だけ選ばれるか |
| AND条件 | 営業・技術など各グループから1名ずつ選ばれるか |
| 均等配分 | 複数回のテストで割当が極端に偏らないか |
| 優先度配分 | 主担当が空いている場合は優先されるか |
| 順繰り配分 | 想定した順番で次の担当者に回るか |
| 受付上限 | 上限到達後に対象者が割当候補から外れるか |
| 一時除外 | 除外期間中に候補から外れるか |
| カレンダー連携 | 予定がある時間を予約可能枠として出さないか |
| 承認制予約 | 承認・否認・期限切れ時の通知と割当状況が想定通りか |
| 既存予約 | 設定変更後も既存予約への影響が想定通りか |
複数担当者の予約システムを安定させるには、候補者を増やすだけでは不十分です。
Jicooの担当者自動割当では、次のような設計ができます。
次に行うアクションは、現在使っている予約ページを1つ選び、「誰が担当になるか」「何分まで予約を受けるか」「誰が不在ならどうするか」を書き出すことです。その内容をもとに、まずはOR条件の割当リストを1つ作り、テスト予約を実施してみてください。
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